“Peter & Katharine が寄港”

 

  6月13日に若いイギリス人夫婦が夢の島にやってきました。
ニュージーランドを去年の5月に出帆し、バヌアツ、ソロモン諸島、PNG、ミクロネシア、フィリピンの各港に投錨した後、沖縄、奄美大島、屋久島に立ち寄りながら黒潮にのって夢の島に寄港しました。
この後北海道からアラスカを経て、最終目的地イギリスに向かう予定とのことです。

その間、各寄港地での体験談をまじえた航海記が2人によって詳しく書かれております。
写真もあり、とても面白いので、(もちろん英語ですが・・)ぜひのぞいて見て下さい。

http://www.mailasail.com/webdiary-kokiri

行事委員長の佐々木道彦さん(M10−トノアス)の呼びかけで20日(日)にオーナーズルームで2人を囲んでの一席があり、とても楽しい時間を過ごせました。2人のこれからの航海の無事を祈って・・Bon Voyage!

広報委員 石井勉(レティシア・ドウ)

 


6月20日(日曜日)昼下がり、ピーターさんとキャサリンさんのウエルカム・パーティーが夢の島マリーナ・オーナーズルームで開かれました。その際、お二人を囲んで和田会長をはじめ皆さんで歓談した内容を一部ご紹介したいと思います。お酒とおいしいランチをつまみながら、楽しく、そして興味深い話をお伺いすることができました! 

(記:ハウス委員 平田裕美子)

いつニュージーランドを出発されたんですか?

昨年の5月です。ミクロネシアからフィリピンを経て日本にやってきました。日本にやってくるまでの9ヶ月間、ジャガイモを手に入れることが出来ませんでした!日本でジャガイモを目にしたときに真っ先に買いました。日本のジャガイモはほんとうにおいしい!

沖縄を経て、屋久島に立ち寄ったそうですがその後のルートは?

屋久島を出発して黒潮沿いにクルージングしました。 四国近辺で黒潮海流の正面から風が吹き、船に海水が入るほどの波となり、急遽、高知県と徳島県の県境にある港に入港しました。 (平田注:港名は、そのときはっきりと覚えていらっしゃらなかったのですが、"・・・のうら"とおっしゃっていました。私がその後、地図で似た地名をさがしてみたところ甲浦港(かんのうら)という名の港を発見しました。間違いない!・・・・) 四国、甲浦港を出航したあとは下田へ入港、その後、夢の島マリーナへ到着しました。

東京湾には、横浜をはじめ停泊する場所がいろいろありますが、湾の一番奥に位置する夢の島マリーナを選んだ理由は?

東京にとても興味がありました! その国の中心である大都市のエネルギーに触れることをとても楽しみにしていました。下田に艇を係留し、陸路、列車で東京へ行くことも、考えましたがやはり私たちの船で訪ねたかったのでやってきました。 東京湾を航行したのは夜でした。どうやら進入してはいけない区域を航行していたらしく(平田注:おそらく本線航路に入っていたようです。)大きな船から日本語でなにやら注意を受けましたが、内容がわからず困っていると、網に入れた注意書きを私たちに渡そうとその大きな船はどんどん近づいてきました。思わず、"よらないで〜!"と叫びました(笑)私たちの船が壊れるんじゃないかと、ほんとにはらはらしました(笑)

東京湾はほんとうに船が多くて大変なところです。タンカーが頻繁に行き来し、漁船がうろうろ、おまけに潜水艦もぽっかり浮かんできます! ましてや夜の航行はほんとうにたいへんでしたでしょうね!!

ほんとうに!かわるがわるワッチしていました。潜水艦にも出くわしました。驚いたわ! でも、東京に近づくにつれ、イルミネーションがどんどん輝きを増し、ほんとうにわくわくしました。

東京を出航されると、次はどこに寄港する予定ですか?

北海道の釧路へ向かいます。

途中どこかへ寄る予定は?

ありません。東京から直接、釧路港を目指します。 北海道からアリューシャン列島、アラスカを経て、9月までにはカナダへ到着したいので…。 残念ながら、あまりゆっくりする時間がないんです。

三陸沖、北海道はこれから霧が多い季節ですが

はい。これから、向かう先は霧が多く航行がむずかしいことも多いでしょう。 霧がでたら、あせらずゆっくり進もうと思っています。

三陸沖は、海岸が切り立って水深も深いので、沿岸近くを航行することが可能です。 そのほうが大きな船に出会うことも少ないので安全です。

貴重なアドバイスありがとうございます。参考にして安全な航海を心がけます。

霧が出るということは風が無い状態なので、航行もたいへんですね!

はい。しかし、小さな低気圧はあちこち発生し、小さな気圧の谷が現れます。それをみつけて風を捕まえます。なんとか進むでしょう! ですので、気象データはこまめにチェックします。 この点、日本は正確な気象データが手に入り、しかもチャートが正確なのでGPSとの誤差が少なくほんとうに助かります。 南太平洋あたりのチャートは、皆さん、安易に信用しないで下さい。GPSとの誤差があり、とんでもないめにあいますよ(笑)

ところで、バージ交換ありがとうございます。お二人が所属するイギリスのロイヤル・クルージング・クラブについてお伺いしたいのですが。その、歴史などを教えてくださいますか?

はい。クラブは1880年、アーサー・アンダーヒルとその仲間数人で設立されました。当時イギリスでは、船を走らすことは必ず目的(レースなど)があり、現在のように単にクルージングを楽しむ、クルージングして遊ぶという考えを持つ人は少数でした。創立者たちは、クルージングを楽しむ人たちのためのクラブを設立したのです。 創立当時のクラブ名は単にクルージング・クラブでしたが、1902年クラブの功績(チャリティ活動や戦時中、特にノルマンディ上陸作戦時のボランティア活動など)が認められ当時の国王よりロイヤル・クルージング・クラブ(通称RCC)と名乗ることを許可されました。 メンバーは現在、100名くらいだと思います。 現在、クラブよりいろいろな海のクルージングをガイドするパイロットブックが出版されています。これは歴代のクラブメンバーたちが実際に航海した経験をもとに出版されています。 私たちも、航海を記録して将来、本にするつもりです。もちろんTYCのことも紹介します! RCCのホームページ http://www.rcc.org.uk へも、ぜひアクセスしてみてください!

(平田注:現在、キャサリンさんのお父様がRCCの会長を務めていらっしゃるそうです。)

艇名の"KOKIRI"についてお伺いしたいのですが?

"KOKIRI コキリ" とはニュージーランドの先住民である、マウリ族の言葉で "槍"を意味します。 とても気に入っています。

ありがとうございます。これからのお二人の航海が安全でありますよう心よりお祈りします。

皆さんありがとうございます。


 

 

       
 
佐々木行事委員長より2人の紹介

 


和田会長とバージの交換
 
 
レース第4戦は台風の影響で中止となり、
昼から宴会モードに突入


熱心な会員と早速国際交流

 

 
 
これって夢の島?(2人とは関係ありませんが・・)

 


PNG近海・・?
 
 
スールー海の夕焼け

 


トワイライトセーリング
 
 
沖縄に着いた2人

奄美大島の入り江に投錨
 
       
 

2人からTYCの皆様へのメッセージです。

Dear Tokyo Yacht Club

Thank you so much for all your kindness, hospitality and generosity. We cannot get over the amazing welcome we have received here and are very grateful for all you have done for us.

We love Tokyo and Japan and are only sorry that we have to leave so soon.

This CD contains the story of our trip so far and some photographs of us and Kokiri. If you wish to follow our trip further then please look at our web site
http://www.mailasail.com/webdiary-kokiri. We update it about once every two weeks if you are interested.

Thank you all once again and we will never forget the great kindness of the Tokyo Yacht Club.

Our best wishes,

Peter and Katharine Ingram

なお、2人へのメールアドレスは、pingmarine@hotmail.com